節分の星供養ご報告

廿日(はつか)大師堂に星曼荼羅を掲げる儀式

真言宗の寺院では、毎年節分の時期になると「星供養」が行われます。その年の星を祭り、悪事や災難を逃れるように、または星の良い年には一層良くなるよう祈る儀式です。今回は清浄心院での星供養について、清浄心院 高野山文化歴史研究所の木下浩良所長が研究所のホームページで解説されていますが、その一部をリポートします。

 星供養は略して「星供(ほしく)」と言い、息災(そくさい)=仏様の力によって災難や病気を防ぎ止めること、増益(ぞうやく)=幸福や財産などの増長を願うこと、延命(えんめい)=寿命を延ばすこと。これらを願い、年のかわり目である節分の日に毎年行われます。
 その年の星を祭り、悪事や災難をのがれるように、または星の良い年には一層良くなるよう祈るのです。
 清浄心院では本堂にあたる廿日(はつか)大師堂に、北斗七星(ほくとしちせい)を中心として、九曜(くよう)〈※1〉と二十八宿(にじゅうはっしゅく)〈※2〉を描いた星曼荼羅(ほしまんだら)が掲げられます。
 その曼荼羅の前には、紙で作った幡(はた)・御幣(ごへい)・銀銭(ぎんせん)と、ナツメ・茶葉・汁(煮た小豆に砂糖をかけたもの)・小餅・干し柿か栗のそれぞれを、かわらけ(素焼きの陶器)に入れてお供えします。
 それから、混ぜご飯のお結びに蝋燭をさして立てて、麦ごはんと煎り豆がお供えされます。これで、準備が整って、午後7時から法要となります。法要での所作(しょさ)は誰も見ることは出来ません。そして、本堂で星供養が行われる同じ時刻、囲炉裏の間(土室)でも煎り豆がお供えされ、読経されます。

〈※1〉九曜=日・月・火・水・木・金・土の七曜星に羅睺星(らごせい=凶にあたる星)と計都星(けいとせい=災害をもたらす星)を加えたもの。〈※2〉二十八宿=天球を28のエリアに分割したもの。

では、なぜ真言宗では節分の日に星供養をするのか? 木下浩良所長が詳しく解説しておりますので、興味ある方は下記の「清浄心院 高野山文化歴史研究所」ホームページにてご覧ください。